甘味一重ではなく甘味と塩味が混在した独特の風味。同じとろけるにしてもパッと無くなるのではなく、バリッとした歯切れがあってドロッとしたコクある味わい...これが汽水域から生まれる「桑名海苔の身上」でございます。飽食の後の一枚の美味しさ( with sensible fine tast . . . )を御賞味下さい。海苔は食材を包む単なるBlack (Green) paperではありません。一枚の海苔とお茶で一服あなたの思索を広げます。
海苔本来の美味しさは、海苔が育つ生育環境の漁場特性(汽水域=海産物栄養塩の宝庫)から生ずるものです。海苔は正に生育環境(漁場特製)の産物であり、この点に於いて海苔の風味の全てが決まると云っても過言ではありません。桑名海苔の養殖場は揖斐・長良・木曽の三大河川と伊勢湾の接点--汽水域--に位置しております。桑名に限らず良質の海苔産地は大なり小なり歴史的にこの汽水域に始まる(東京羽田・千葉大森etc)わけですが、桑名漁場はそのスケールに於いて他を圧倒的に凌駕しております。大容量の淡水と海水が交じり合うことから栄養塩が非常に豊富となり、焼けば深い緑色を生じる-桑名海苔独特の風味-が生まれます。「江戸の殿様」が食べた「桑名のハマグリ」、その生息地が冬場海苔養殖場となります。
桑名海苔は「海苔養殖の原点である支柱柵」により営まれており、そのの生育層は「 カミソリの刃」と云われる程厳しい環境にあります。一般的に海苔は10号線(海苔網の張り込み水位の基準)が生育層とされています。圧倒的スケールの汽水域で育つ桑名海苔は、引き潮になれば淡水に漬かり、込み潮時との比重塩分差・水温差が大きくこれらの要因は海苔の生育層を狭く(カミソリの刃)します。僅かの張り込み水位差で海苔の成長に優劣が生じ、非常に高度で繊細な養殖管理技術と乾燥加工技術を要求されることとなります。桑名海苔はその希少性と相俟って「海の芸術品=ART IN THE SEA」と呼ぶに相応しいのです。
白隆は、当桑名海苔を独自の製法により最高の風味と鮮度でお届けします。
食後の飽食感の中であっても変わらぬ美味しさ、御賞味頂ければ幸いです。